Act.1 神ヲ欺いて

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暑い日差しが照りつける繁華街。 日曜日だけあって街中はたくさんの若者が練り歩いている。 「あとどこ行くんだよ~」 両手いっぱいに握りしめた買い物袋達。 荷物持ちと化した俺をよそに、姉貴は楽しそうにウィンドウショッピングをしている。 「久しぶりに彰と買い物出来るんだもん。いろいろ見たいのっ」 姉貴は俺にそう言って、 気になった店へ勝手に1人入って行く。 「ったく」 破天荒な行動にハァーとつい深いため息をつく俺。 しかし姉貴が楽しそうにしている姿を見ると、 こっちまで楽しい気持ちになってくる。 「彰、ちょっときて!」 めぼしい商品を見つけたのか、手招きして俺を呼ぶ姉貴。 「どっちが可愛いと思う?」 俺が店内に入るやいなやレディースものの服を2点照らし合わせて聞いてきた。 「どっちでもいいんじゃね~?」 「もう!真剣に考えてよっ」 その時、俺達の会話を聞いていた店員が近寄ってきた。 「彼氏さんは何色がお好みなんですか~」 “彼氏” 「あっ、彼は私の弟です」 “弟” ーーそんな顔して言わなくても。 店員の言葉に姉貴が苦笑いして答えた。 一生彼氏にはなれないとわかっていても心が姉貴を求めてしまう その声も体も 吐息さえも独り占めしたくなってしまう 報われない想いにいつか終止符が打たれる時まで 俺は姉貴を愛し続ける たとえ常識に反し神をも欺き通してでも
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