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空に浮かぶ入道雲。
西日が眩しい夕方過ぎ。
学校の校庭では部活をする生徒。
そして体育館では跳ねるボールの音と威勢のいい掛け声が響いていた。
「彰!」
タツの呼ぶ声と共に飛んできたボール。
俺は両手で受け取ると、
そのまま敵陣のフォーメーションの中へ突入する。
そして守備を意図も簡単に交わしそのままドリブルシュート。
ボールはゴールネットを大きく揺らして床へ落ちた。
ピーッ!
その時笛の音と共に、顧問の声が体育館に響く。
俺達は試合を中断して集合をかけた顧問の元へ駆け寄った。
「今日の練習はここまで。夏の総体まであと1週間だ。3年生は気を引き締めて練習に励むように。以上!」
その言葉に部員は声を揃えてありがとうございました!と元気よく挨拶をした。
「雨宮、あとは頼むぞ」
「わかりました」
顧問が俺に一声かけて体育館を去っていく。
「じゃ2年は道具の片付け。1年は床のモップを頼む」
主将の俺がそう指示すると後輩達は一斉に動き始めた。
夕方とはいえまだ熱さが残る。
額や頬に流れる汗をリストバンドで拭う俺。
「彰、お姉さんが来てるぞ」
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