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眩しい太陽の日差しが照りつける外。
朝の登校で賑わう校舎の横にある体育館。
そこではバスケ部の朝練の片付けが進んでいた。
「雨宮君!」
呼ばれた俺が振り返ると、後輩が駆け足で近寄ってきた。
「小林先生が片付けが終わったら職員室に寄ってくれって」
「おう、わかった」
俺が笑って答えると、お先失礼します!と元気に挨拶して体育館を後にした。
「2つも下の後輩に君づけ呼ばわり。少しフレンドリー過ぎないか?」
そう言いながら近づいてきたのは、俺と同じクラスで副主将の森川竜哉(たつや)。
通称タツ。
眼鏡をかけた容姿端麗の男で、俺の相棒でもある。
頭がいいのとバスケの腕は認めるが、
時に冷酷で他人を傷つける事を何とも思わないところが難点だ。
「かたっくるしいのが嫌なんだよ。せめて部活ぐらいは先輩とか後輩の壁を無くしてぇの」
「まぁお前みたいな常識知らずの人間にはその方が向いてるかもな」
サラッと何気なく言ったタツの言葉に、
俺の眉毛がピクリと反応する。
そして周りにいた部員の表情が一瞬で凍りついた。
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