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俺達には親がいない。
俺と姉貴が小学生の時父親が女と逃げて、
母親の手で育てられた。
しかし母親は病魔に犯され、離婚した3年後に他界。
一時親戚に預けられ、
姉貴が16歳になったと同時に2人ぐらしを始めた。
母親の残した金と姉貴のバイト料で何とか暮らした。
学校の授業料は親戚から借りて、
俺は中学時代のバスケ技術が認められ今の学校に特待生で入る事が出来た。
大学を出た姉貴は服飾関係の会社に就職。
決して恵まれた環境だとは思えなかったけど、
姉貴がいたから今の生活にめげずにここまで来れたんだ。
辛いのは自分だけじゃないんだって思えたから……。
「ありがとうございました~」
アパートから程近いコンビニで弁当を買った俺。
外に出た途端、熱風に近い風と湿気ムンムンの外気を肌で感じ思わず顔をしからめる。
夜になっても気温は30度に近い。
部活をやっていても10分に1回の割合で水分補給しないと、
熱中症になってしまうのだ。
「あっちぃな~」
買ったお茶のペットボトルを早速開けて、
その場に立ち止まり一口飲む俺。
「彰?」
その時横から声をかけられ、
飲みながら横を向くとそこには会社帰りの姉貴がいた。
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