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俺はその姿を何気なく目で追う・・・。
母親が死んで2人暮らしを始めてから、
姉貴は人一倍頑張っていたと思う。
“彰はバスケを頑張って。あとの事は私がみんなやるから”
その一言があったから俺は好きなバスケを今まで続けてこれた。
その結果、高校入ってすぐスタメン入りして、
その後全国大会まで行けた。
でもその裏で姉貴は学校に行きながら夜遅くまでバイトして、
家事をして……と大変な毎日を過ごしてきてる。
俺の手伝いなんて小さなもので、
殆どの事は姉貴に任せっきりだった。
そんな日々が続いたある日、姉貴は過労で倒れてしまう事件が起きた。
幸い大事にはならなかったけど、
姉貴をそこまで追い詰めてしまった原因は間違いなく俺の甘え。
姉貴の優しさに甘えて、
甘えて、甘え通してしまったんだ。
それをキッカケに家事を分担制にする事に決めた。
ーー俺には姉貴しかいない。これ以上大切な人を失いたくない。
これからは俺が姉貴の支えになって守らなくちゃ。
そう感じた時には、すでに淡い恋心が俺の中に芽生えていた。
中2の時だった。
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