Act.1 神ヲ欺いて

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俺はその姿を何気なく目で追う・・・。 母親が死んで2人暮らしを始めてから、 姉貴は人一倍頑張っていたと思う。 “彰はバスケを頑張って。あとの事は私がみんなやるから” その一言があったから俺は好きなバスケを今まで続けてこれた。 その結果、高校入ってすぐスタメン入りして、 その後全国大会まで行けた。 でもその裏で姉貴は学校に行きながら夜遅くまでバイトして、 家事をして……と大変な毎日を過ごしてきてる。 俺の手伝いなんて小さなもので、 殆どの事は姉貴に任せっきりだった。 そんな日々が続いたある日、姉貴は過労で倒れてしまう事件が起きた。 幸い大事にはならなかったけど、 姉貴をそこまで追い詰めてしまった原因は間違いなく俺の甘え。 姉貴の優しさに甘えて、 甘えて、甘え通してしまったんだ。 それをキッカケに家事を分担制にする事に決めた。 ーー俺には姉貴しかいない。これ以上大切な人を失いたくない。 これからは俺が姉貴の支えになって守らなくちゃ。 そう感じた時には、すでに淡い恋心が俺の中に芽生えていた。 中2の時だった。
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