別れは突然に。

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「お疲れ様でしたぁ!!」 PCの電源を切り、上司や同僚達の挨拶もそこそこに更衣室に向かう。 「なんだありゃ。麻生のやつえらい気合い入ってんなぁ。」 「そりゃそうですよ、課長。今日はイブですよ?麻生だって気合いの一つや二つ入るでしょ。」 「はぁん?あの麻生でも女らしいところはあるんだな。ガッハッハッ!」 なんて上司と同僚が話してることなんか露知らず、いそいそと着替える私。 に話しかけてくる後輩。 「先輩、先輩! 綾香先輩が結婚するってホントですか?!」 ...はい? 「はぁ?!私聞いてないんだけど?!」 敦賀綾香。 入社して同じ課と言うこともあり、仲良くなった彼女。 一見ふんわりとしてポワワンとした正に女の子!な綾香と、どちらかと言うと男勝りで負けず嫌いな私とじゃまったくジャンルが違うけど、何故か気が合いお互いの恋愛や仕事での愚痴、くだらない事までも何でも相談しあえる親友に。 あれ? その親友に一言もなし?! くそぅ!綾香は明日尋問するとして今は急がなきゃ。 「と言うわけでお疲れ様ー!」 ロッカーをバタンと閉めると後輩の「え?!ちょっ、先輩ー?!」と言う声は聞こえないふりをして会社を後にした。
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