「私」と「僕」

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「四季、ちょっとこのプリントをコピーしてきてくれないか?」 そう言って、キャプテンが私にプリントを渡してきた 「秋月、何で私に頼むのさ?自分ですれば良いだろ」 思った事をそのまま秋月に伝えてみた 「まぁまぁそう言わずに、頼む!!マネージャー!!」 「む、ここでマネージャーの肩書きを使うとは…」 反撃されてしまった… 「だって四季はマネージャーだろ、今は榊原も居ないし…」 「綾芽、まだ来てないのか?」 榊原 綾芽…私と同じサッカー部のマネージャー おっとりしてて優しいし でもやる時はしっかり! っていうマネージャーの鏡みたいな子 私とは大違い… 「あぁ、榊原は委員会があるから遅れるって言ってたぞ」 「ん、サンキュー秋月」 「おう、俺そろそろ練習だし、行くな」 「解った、じゃ頑張れよ」 秋月穣…綾芽の… 私の好きな子の、好きな子 ~~~~~~~~~~~~~~~ 「あ…何枚コピーするのか聞くの忘れた…」 単純なミスで印刷室で1人ブツブツと言っている私 「参ったな…さっき聞いとかなきゃいけなかったのに…」 もう練習も始まってるしな… どうしようか… 「四季ちゃん」 「うぉわっ!?」 急に後ろから声を掛けられた 「そんなに驚かなくても…」 「何だ綾芽か…ビックリした…」 榊原綾芽、私の好きな子だ… 変に緊張しない様に、コピー機の方を向いて喋る事にした 「そう、ビックリさせちゃってゴメンね」 素直に謝ってくる綾芽 「いや…もう委員会は終わったのか?」 「うん、今から部活に行くの。それで、四季ちゃんはどうしたの?印刷室で…」 「あ、あぁ…秋月がプリント印刷してきてくれって」 私は綾芽の方を振り返ってそう返事をした 「キャプテンが?」 その時の綾芽の顔 好きな人を目の前にしたかの様な とても幸せそうな笑顔 好きな人の純粋な、笑顔 でも その笑顔が目の前に居る私ではなくて 秋月に向けられている… そう思うと、胸が締め付けられる様に痛くなった…
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