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「愛してる」
とても深く重い言葉だ。
このたった一言で相手を幸せにし、相手に癒えることのない傷を負わせることができる。
私はこの言葉が嫌いだ。
なぜなら、この言葉で傷を負った人を何人も見てきたし、私も何度も傷を負わされたからである。
「うわーん。恋(れん)んん!」
泣き叫ぶ声が耳を刺す。
ここに''あの''言葉の餌食になってしまった友達がいる。
風上 夏波 (かざかみなつは)
一番の友達で家も近い。
ついさっき電話で呼び出され、何事かと駆けつけると、突然泣きついてきたのである。
理由を聞けば五ヶ月付き合った彼氏に振られてしまったらしい。
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