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3人が眠ってしまったから自分の部屋に戻った
トシのシャツだけを羽織って
カーテンの隙間からは8月の朝日が煌めいていた
思いきりカーテンと窓を開け放った
夏の匂いがする
ケータイにはトシからのメールが着ていた
しかしそれは私の誕生日を意識したようなものではなかった
電源を切りテーブルの下に置いた
本当は真っ二つにへし折って捨ててしまいたかった
しかし後が面倒で我慢した
シャワーを浴びようと脱衣場でシャツを脱ぎ洗濯機に放り込む
汚れたシャツはなんだかトシに似ている
髪に触れ、シュシュのことを思い出した
外して見ると、可愛かったシュシュは一晩で汚れきっていた
涙が溢れて止まらなかった
温かいシャワーを浴びながら声をあげて泣いた
今はもう誰もいない
ゴミ箱の底で汚れたシュシュが死んでいた
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