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日付が変わる前にホテルを出た
そして昼まで眠った
たくさん夢を見たがどれも靄みたいに輪郭が見えない
懐かしいような、悲しいような、いろんな感情の欠片だけがひっそりと私の中に落ちていた
シャワーを浴びようと下着を外すと濡れていた
冷たいシャワーを当てて火照りを冷ました
ケンと会ったあとはいつもこうだ
身体は彼と別れたことを知らないのかもしれないな
そして気づいたらあと3時間で誕生日
ケンからもトシからも連絡はない
大学を卒業後しばらくは連絡を取り合っていた友達も今では音信不通
鳴らないケータイ
鳴らないチャイム
つまらないテレビ
何もない冷蔵庫
エアコンの冷たい風だけがそこにあった
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