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「…酷い」
納得顏のおおかみと赤ずきんは青頭巾の呟きも軽くスルーして持ってきたパイを食べている。
「んお!!このパイうめーな!」
「そう?普通じゃない」
自分で作ったわけでもないのにそういうこと言うのは…
「うるさいわよ。別にいいじゃない」
あ、そうですか。
いつの間にか復活した青頭巾がはてなを浮かべて訪ねる。
「?誰と話してるんだい?マイハニー」
「うるっさい!」
「ぐはぁ!!」
ボコリ、という音が青頭巾の声に重なり、青頭巾はその場でついに伸びてしまった。
「ん?うるせーやつ、死んだのか?食っていいかな?」
おおかみは青頭巾のそばでジュルリと涎を垂らしている。
「最近、肉喰ってねーんだよ。まぁ、フルーツとかもうめーけどよ、やっぱこの肉が一番いいよ」
「…そう。なら、食べれば?」
しみじみと語るおおかみに赤ずきんはどうでもよさそうに言う。そんな様子に驚いておおかみは叫んだ。
「や、そこは否定して!」
「そう?うるさいのがいなくなっていいと思ったんだけど…」
「お兄さんでしょ!!」
赤ずきんはパイを食べ終えてもう用はないと言うようにテキパキと片付けてドアの前に立つ。
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