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おまけ
「……?」
あ。気絶していた青頭巾が起きたようですね。
「む。俺の分の、リンゴパイ…」
起きた青頭巾には気付かず、むしゃむしゃと手掴みでパイを食べ続けるおおかみ。
「…んまかったー!!」
ぺろりと口を舐めておおかみはふくれたお腹を擦って大あくび。
「……食われた。俺の、リンゴパイ…食われた」
フラフラと立ち上がった青頭巾はやけになってキッチンの棚の怪しい色の瓶を手に取る。
「あ、それ……」
「あぁん?てめぇは黙ってろ!」
「ん…」
何やら、おおかみが青い顔をしているようですが…
ぱかり、
「お、開いたぜ…って!う、うわわわ!」
だから言ったのにとでも言うような顔でおおかみは青頭巾を憐れむ。
きゅぽんっ。
………………………。
「…ふぅ。次はどんな噺かな?」
おおかみは意味ありげに呟くと、題の無い本を一冊本棚から取り出して開いた。
その部屋にはもう、青頭巾の姿はなく青頭巾が立っていたその場には蓋の閉まった瓶が1つ、転がっていただけだった。
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