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林――
「はぁ…はぁ、つ、疲れた。」
赤ずきんは走って家を出てお婆さんの家に続く道にやって来ました。
「どこに行くんだい?赤ずきん?」
林の中から誰かの声が聞こえました。
「…誰!?」
「ん?オレを知らないのかい?…オレは、青頭巾。」
ガサリという音と共に出て来たのは、青い頭巾を被った青年。
「…いや、誰だよ、お前?」
「だ・か・ら!!青頭巾です!知ってるでしょ?オレは、お前の兄貴なんだから!!」
そう、茂みから登場したのは赤ずきんのお兄さん。
「でも、私あなたのこと、兄だと思ってないんだけど。」
お兄さん、と言っても赤ずきんのお母さんの連れ子で赤ずきんとは半分しか繋がりは有りません。
でも、お兄さんの方は、赤ずきんを溺愛。こうしていつも、しつこいほどに赤ずきんに付きまといます。青い頭巾を被っているのも、少しでも気に入られたいからです。
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