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西暦201X年:
アメリカ合衆国 ニューヨーク州 スタテンアイランド区
合衆国は、9.11をも越える最悪の局面を迎えていた。
大隊規模の武装勢力による蜂起
それは、合衆国にとって初の本土戦であった。
武装勢力は装備、その隙間から僅かに除く肌色、時たま聞こえる絶叫からタリバーン系……恐らくはアルカイダ残党、もしくはそれを盲信していた"ネオカイダ"的な何かだろう。
装備の輸送ルートはわからないが、そんなことを今は考えている余裕はない。
無線機から聞こえる情報は耳障りの良くない報告や要請ばかりで、早い話が劣勢である。陸軍連中が次々送り込まれているにも関わらず、だ。
俺の率いる小隊も状況を開始してから被害が増大する一方で、悲鳴にも似た要請をする味方部隊の援護に回せるわけもなく、むしろここまで持たせている部下を誉めたいくらいだ。
『こちら第197分隊、俺様が生きてる内の最後の通信だ!奴等、どういったわけか戦車を持ってきていやがる!繰り返す、タリバーンは戦車を装……』
バックミュージックに天使がラッパでも吹いてそうな通信は最後まで言葉を紡ぐこともなく途絶えた。なんと最悪なお告げだ。また一つ部隊が全滅しただけじゃなく、戦車持ちだなんて嬉しすぎて尻からデカイのを捻り出してしまいそうだ。
最悪なのは、その第197分隊ってたしかこの部隊の近辺を担当してることだ。
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