練習初日

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「……岩下中」白鳥が答える。 「聞いたことないけど?」 「隣の県から来た。今は親戚の家に住んでるよ」 「俺と康平は部紹介の女の子達に騙された感じで入部したけど、有馬と白鳥もそうなの?」  何か事情はありそうだが、訊ける雰囲気でもないので健太は話題を変えた。 「ハハハ。ボクシング部のペテン部紹介は、有名なんだけどな。俺は高校入ったらボクシングやろうと思っていたから、部紹介の時はいなかったよ」  有馬が笑って言った。そして、白鳥がボソッと答えた。 「……お、俺もボクシングやりたくてここに来た」 「……凄いね」  駅に着いた時、丁度下りの電車が来たので康平と健太はそれに乗る事にした。  有馬と白鳥は上りの電車である。 「じゃあな」  康平と健太は急いで電車に駆け込んだ。  有馬と白鳥は上りの電車を待つのだが、ウマが合わないらしくお互い離れた所に立っていた。
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