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中にいる全員の視線が弥生に集まった。
だが、彼女は気にする様子はない。
「スパーでやられたんでしょ? 青タンいいよね。私も弥生印の青タンを付けてあげたいな」
健太が言い返す。
「うっさいな。亜樹がいないのに、何で弥生がいるんだよ?」
「私の勝手でしょ! ……健ちゃんこそ何よ。私を避けてるんだよね」
一度弥生を見て、こっそり帰った事のある健太はギクリとした。
「さ、避けてた訳じゃね~よ。あん時は、たまたま用事を思い出したんだよ」
二人の声が大きくなり、図書館司書の中年女性が、一段と大きな咳払いをした。
声を押し殺して綾香が言った。
「二人共、お願いだから声を小さく……ね」
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