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――キュルル…ブォォン
『うっし!エンジン良好!!』
バイクに跨がった蒼空はUターンして男達に向き直ると、2人に向かって一気に加速した。
そして…
粋なり訳の判らない乗り物が近付いてくる恐怖で動けなくなった男達。
その頭上を蒼空はモトクロスバイクなのを良いことにトップスピードで飛び越えた。
――ザザーッ
『ふぃ~久しぶりに無茶したなぁ…』
ボソリと呟く蒼空を見てやっと硬直から立ち直った2人。
「あっ、あり得ねーだろ今の動き…」
長髪の男が言うともう1人のやや華奢な青年も勢い良く頷いた。
「おいっ!貴様何者だ?!名を名乗れ!」
長髪が声を張り上げて鬼の様な形相で尋ねてきた。
だが、蒼空は冷めた目で男を見据えて言った
『人に名を尋ねるなら先ずは自分が名乗るのが常識では?』
と…英語で……
そんな蒼空の言葉が通じる筈もなく…
長髪が絡んできた
「あぁ?テメー何訳わかんねぇ言葉使ってんだ?!」
そんな長髪に青年が話し掛けた。
「ねぇ、土方さ~ん!
彼、もしかしたら異人なんじゃないですかぁ?
ほら、見たことない着物もきていますし」
土方と呼ばれた男はじっと蒼空を観察してから頷いた
土方
「だな。おい総司、奴を斬れ」
少しも表情を変えずに命令した土方と、其れを笑顔で了承した総司という男に蒼空は本気で ″殺される″と悟った
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