初回

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2011年、8月20日、正午。 甲子園にサイレンが響く。 第93回全国高校野球選手権大会 決勝の幕開けだった。 対戦カードは 智弁和歌山対盛岡東。 智弁和歌山は春夏通じて、3回の優勝を誇る強豪。 対して盛岡東は部員10人の超弱小と言われる程で、ここまで勝ってきたことですら奇跡。 勝負は目に見えていた。 そのはずだった。 先攻、智弁和歌山。 後攻、盛岡東。 初回表 智弁和歌山の1番へのエース左腕、能村の初球。 外角低めへのストレート。 このストレートに甲子園がどよめく。 球速157km/h 左腕最速記録を2km/h更新したのである。 その後も、球速95km/h前後のスライダーとカーブを使い分け、智弁和歌山の超強力打線を三者連続三球三振に斬って取ったのである。 初回裏 盛岡東の攻撃も、三者連続三球三振に斬って取られる。
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