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そして、同時に一言。
「「先生、タイムアップです」」
「キーンコーンカーンコーン…」
二人が言い終わるのが早いか、昼休みを告げるチャイムが鳴り始めた。
途端、教室のボルテージは一気に跳ね上がり、号令を言わんとしていた委員長を無視して生徒は帰りの支度をする始末。
割とどこでも見受けられる、夏休み前の光景である。
もう慣れているのだろうか、何の注意をすることもなく、教師はその教室を後にした--少年たちを一瞥して舌打ちを忘れずに。
「おい見たかよ今の。教師のすることじゃないぜ」
右手に携帯電話を握りながら、先程の片割れ、草壁 麻人【くさかべ あさと】は毒づく。
黒髪黒眼、少し痩せた体。良くも悪くも普通の容姿の少年である。強いて言うなら、男子にしては長くサラサラとした頭髪が特徴といえば特徴か。
「同じく。この国オワタだな、生徒にメンチ切って舌打ちする教師がいるなんて。将来危ぶまれるわー」
そう言ったのは、かなり小柄な少年、矢形 晶彦【やがた あきひこ】。その体形と丸刈りの頭のおかげで小学生に見えなくもない彼こそ、キーボードを叩いていた本人である。
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