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ほら、と瀬戸は草壁の携帯電話と矢形の膝の上のノートパソコンを指す。
「いいかリュータ、これは決して駄目な事なんかじゃない。今日の正午は絶対に負けられない戦いの開幕の日でな、ホームルームどころじゃなかった。分かるだろ?」
この安っぽい名前は、とあるソーシャルゲームのイベントを彼なりに形容したものだが、瀬戸には分かるよしもない。
「え、えっと…でも、せ、先生怒らせてた、よね」
「あんな露骨に舌打ちされるとは思ってなかったけどな。危なくなったら頼むぜ、リュータ」
口を出すのが上手くない瀬川は、(変わり、と言うにはあまりに危険だが)すぐに手を出す。
その上、空手の有段者でもあるため3人の内で最も厄介視されているのだ。
「で、その頃一方アキヒコくんは何をしていたのかなー?どうせまたくだらない事だろうけど一応聞いてやるよ」
嘲るように尋ねた草壁に対して、待ってましたと言わんばかりに語り出す矢形。
「いや、この糞コテ野郎がな、最終回でセレスに生えた翼を『悪の象徴だ、あいつは堕天していくんだろうな』とかほざいてるんだよ。そこで俺が華麗に論破してやったら、住民総出で俺袋叩き。マジで有り得…」
「四面楚歌ですね分かります。まあ俺もその住民とやらの意見と同じだけどな。お前は深読みし過ぎなんだよ」
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