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好きな理由、か。
なかなかしっくりくる理由が思いつかない。
「ほ、ほら、かっこいいし」
ぱっと思いついたことを言ってみる。
「確かにかっこいいよね、ってか、可愛い?」
亜弥の言うとおり男子とはしゃいでるときの笑顔ははんぱなく可愛い。
「それに優しいし」
「そうなの? 話したことないんだよね」
「そういえばあたしもない」
のんびりと会話を聞いていた葵が付け加える。
見た感じ、自分から女子の方へ話しかけに行ったりはあまりしないみたいだしね。
あたしだってそんなにたくさん話したことがある訳じゃない。
少しでも話そうと他の女の子が永田くんと話しているときに便乗したりしたくらいで。
他の人と違う特別が何かはわからないけど、彼と話したらすっごく楽しくってもっともっと話したくなる。
そして彼はとても優しい。
エピソードをあげたらキリがないくらいに優しい。
もうこんなに好きでも仕方がないと思う。
っていうかまず、人を好きになるのに理由なんてないと思うもん。
なんて、恋愛初心者のあたしがいう台詞じゃないけどね。
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