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「あれ……?」
いつも恋愛小説やミステリー、何がおもしろいのかわからないけど国語の評論文みたいな本、いろいろ読んでる葵の手には……、
「英単語?」
「うわ、葵勉強?」
亜弥があからさまにいやそうな顔をする。
亜弥ほど顔には出さないけどあたしだって、勉強は好きじゃない。
「ごめんね、勉強する予定だった?」
葵が持っていたのは"受験用英単語"とかかれたシンプルな単語帳。
担任がよく毎日少しずつやれ、って言ったけど一度も手を着けたことがない。
「えらいねー、葵は」
「ほんと、尊敬する」
言いたい放題言ってたら葵が視線をあげてあたしたちを見る。
「二人は大丈夫なの?」
「何が?」
あたしたちの成績を心配してくれてるのかな?
いつも順位のいい葵と違ってあたしと亜弥は後ろから数えた方が早い順位だ。
「明日、英単語試験でしょ?」
『え?』
あたしと亜弥の声が重なる。
……英単語試験?
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