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「美桜、おはよう」
今日も可愛らしいエプロンをしたお母さんはお気に入りのカップで紅茶を飲んでいる。
そのエプロン見たことない気がする。
お父さんに買ってもらったのかな?
お父さんはお母さんにばっかり甘くて、ずるいと思う。
「おはよう。じゃなくって、どうして起こしてくれなかったの?」
呑気ににこにこと挨拶をするお母さんに問い詰める。
「えー、だって美桜が起こさなくっていいって言っていったんじゃない。ね、しょーちゃん」
「ね、樹里ちゃん」
お母さんが同意を求めるといつからそばにいたのかこれまたにこにことお父さんが返事を返す。
珍しいらしいがあたしのお母さんとお父さんはいまだに"しょーちゃん""樹里ちゃん"とお互いを呼ぶ。
亜弥には何度も変だといわれたけど、娘のあたしが困るくらいラブラブな二人はあたしにとって憧れだ。
あたしもいつかあの二人みたいに素敵な家庭をつくりたいな。
って、そうじゃない。
今急いでるんだった。
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