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「美桜、バスに乗るのは諦めて食べたらどうだ? たまには、車で送ってあげるよ」
「大丈夫! 家に帰ってきてから、食べるから」
本当だったらもう少しのんびり出来ると喜ぶところなのかもしれない。
だけど、バスに乗りたいんだもん。
あの綺麗なお兄さんの後ろの席に座りたいんだもん。
「いってきまーす」
鞄を持ってリビングに向かって大きな声で叫ぶ。
「いってらっしゃい」
「気をつけてなー」
慌しいのは今日、目覚まし時計を使ったから、じゃなく、いつものことだ。
もっと余裕を持とうと何度思ったことか、長続きしないからもう既に諦めているけどね。
すれ違うご近所さんにおはようございまーすと挨拶をしながらバス停まで思いっきり走る。
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