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「まあまあ、それはおいといて」
あ、やっぱり流された。
別にいいんだけどね。
「美桜の日課は?」
「日課……」
んー、と腰まである長い黒髪を手櫛でとかしながら悩んでいるとある男の人が頭に思い浮かんだ。
だけどあれを日課と言うのかはわからない。
「なーに、あたし達には教えられないようなことなの?」
「え?」
「別に言いたくないなら無理しなくていい」
気をつかってくれたのか、本を読んでた葵がボソッと呟く。
「秘密とかじゃないの。ただ日課じゃない気が」
「教えて教えて。え? 永田くんを見つめること?」
「や、やめてっ」
永田くんはあたしのクラスメート、そしてあたしの好きな人。
去年は亜弥と葵にとってもクラスメートだったんだけど、残念ながら今年は二人とクラスが離れてしまった。
だけどそんなことはあたしたちの友情に何の影響もなく、毎日のように放課後や昼休みに三人でたわいもない話をしている。
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