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2009年初夏
ひとつのピリオド
一年もの闘いの後に残ったのは大きな憂いと小さな希望
栞(しおり)の片手には書留郵便で届いた裁判所からの茶封筒が握られている
「…終わった…な…
……やっと。」
長く苦しんだ旦那(正式には元旦那だが)との離婚裁判が決着し
栞は晴れて娘と二人の人生を再スタートすることになったのだ
裁判したと言っても栞の得たものは親権のみ
慰謝料があるわけでもなくマンションの権利も放棄してしまったのだから
今の栞は余裕などない
裁判結審まで一年余りの間娘の澪(みお)と実家に出戻り暮らしてきたが…
これからは本格的に職探しが始まる
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