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「おっと、忘れてた」
グッタリしている男の背中に右手を滑らせ、どこが曲がったかを手触りで察知すると、
そこからたった三本の指で、外れた腰骨を一瞬で、元に戻した。
その激痛で男の意識も戻ったが、
「金はいらねえよ。今日はサービスだ」
そう言いながらいそいそと、涼しい顔で外に飛び出していってしまった。
「払うもんか!このモテねえブサイクオヤジ!今度会ったらボッコボコに……!?」
感情的になって、威勢よく後ろ姿になじっていたが、そのトレッドヘアーが急に引き返してくるや、
弱っていた男を散々血を吐くまで蹴飛ばし、しゃがみ込んで男の顔を覗き込んだ。
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