白か黒か(1)

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言い争いから一転して、薄暗い事務所に緊張が走る。 片方は三人、もう片方は五人で、その三人を囲む格好になっていた。 目を方々に配らせながら、肩から下げた自動小銃を握って構えている者、 タバコを吸って余裕の態度を見せながらも、その指が震えている者、 そして、ことごとく理不尽な屁理屈を浴びせられ、じっと睨んでいる者。 そんな三人の顔は、どれもやや幼かった。 そうして無言の牽制を続けて時間だけが過ぎていくと、 やがて、五人のリーダーらしき男がニヤリと笑う……。
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