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※ゆかり姉視点
「・・・はぁ・・・」
・・・らしくねー。
ただ謝るだけなのに、こんなにくそ恥ずかしいなんて。
「・・・」
なのにあいつときたらっ・・・!
・・・明日、埋めてやろうか・・・。
そもそも、なんで俺謝ろうと思ったんだろ。
あいつを振り回すのは、いつもの事だろうが。
・・・。
俺は姉で、あいつは弟。
だから、振り回していいんだよ。
姉の命令に従うのが弟なんだから。
謝ったのは間違いだ。
「・・・くっ・・・」
いいんだ・・・よな・・・?
「くそったれっ!!」
バンッ!
「うぇ!?」
自分の中で変なもやもやにイライラしてしまい、横にあったドアに激しく八つ当たりしたら、中の方から変な声があがり少ししてから、カチャリとドアノブが回り中の人が恐る恐る顔を出した。
「ゆかりちゃん・・・?」
どうやら、馨の部屋のドアに八つ当たりしたようだ。
「・・・わりぃ、馨」
「いいよ~何か用事~?」
「あ・・・っと・・・いや、なんでもねぇ・・・」
俺は問い掛けてきた馨にそう告げると、足早にその場を去った。
「ん~・・・変なの~・・・?」
「もうやめだ・・・だりぃ」
自室に戻った俺は、体を投げ出すようにベットに倒れ込む。
「・・・なんだよ・・・これ」
自分の中の解りもしない感情に戸惑いつつも、瞼を閉じると心地よい睡魔に襲われ、そのまま意識が遠退いていった。
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