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亜由子は周りを見渡した。ホテルのはしにある冷蔵庫の前に目を止める。
無造作に脱ぎ捨てられた2人分の服。その手前にそれは置かれていた。
裏返しで。
亜由子「うそ……そんな……」
記憶が……ない。
(この状況どう考えても…)
カチャッ
バスルームの開く音。
身体を強張らせて亜由子はそっちをジッと見た。
「んー……あ、起きたん。次シャワー使えよー」
全裸で出て来た男の第一声。
少し細身の程よく筋肉質な身体。
茶色の短髪、切れ長で二重の瞳、真っ直ぐ通った鼻筋、薄くて綺麗な唇。
(私この人と……)
ドキドキしながら相手の顔にジッと見とれていた。
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