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――昨日
「破壊……」
陸が力に気付いたのは親を亡くした時だった。
亡くなった理由には、ある組織が動いていた。
巨大な組織に打つ手はなく、黙って見るしかなかった。
結果的には組織を壊滅させる。
全てを壊す、防ぐことができない力で。
「俺には……こうするしかなかったのか?」
気付けば廃墟にいた。
力に気付き、力を振るった場所。
毎回、全て壊していた。
残ったのは、破壊した後の孤独。
兄貴は冷静で、敵討ちなんて考えない。
それが寂しくて悲しくて。
「おや、こんな時間に寂しく過ごす人が」
声が聞こえた方向……廃墟を見る。
そこの住人であるかのように、平然と現れる。
現れたのは、黒。
人々が畏怖する、闇そのもの。
「寂しいかもしれないけどお客様はお呼びでない」
「お前は?」
「お帰りください、2人目の寂しいお客様」
「話を聞かない……」
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