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アパートを出てすぐの交差点を少女は曲がった。
後を追う。
「なっ……」
驚いたのは周囲の状況だった。
人の気配は感じられたが、人は動いていなかった。
「ど、どうしたんだ」
大勢の人が倒れていた。
そのうちの1人に駆け寄る。
意識を強制的に失わされたようだった。
拳を握り、走り出す。
少女は交差点の先を左に曲がったのが見えた。
陸も曲がる。
「?」
少女の姿はなく、人を襲う誰かの後ろ姿。
陸は一気に近付き、右手を振り上げた。
力を使って殴る時、一瞬だけ光る。
陸の手は光り、男を殴りつけた。
男はかなり吹き飛ぶが、ダメージがないように立ち上がった。
「おい!」
近付こうとした瞬間、雷が地面に傷をつくる。
近付くな、という意志がこもっていた。
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