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料理と言っても、そう難しい物でもない。
ただ、適当に見繕った野菜を切りフライパンに纏めて投入して炒めただけの野菜炒め。その上に市販のタレで味を付けた肉を焼いたものを乗せるだけ。これだけである。
「あぁ、面倒だな」
仕事の都合上、外で野宿する機会が多いユウヤはそれなりに料理が出来るが、大抵は買い溜めしておいた物で飯は済ましてしまう。
それでも、似合わないエプロンまで付けて料理何かをしてる理由は一つ。
口うるさい幼馴染みに「ちゃんとキュウちゃんにご飯食べさせるんだよ? 出来合いの物で済ませようなんて思わないでしっかりと手作りのをだよ」と言われたからに他ならない。
「ま、こんなでいいだろ」
出来た野菜炒めと肉、茶碗に入れたご飯を二人分お盆に乗せてキュウが待つリビングへ向かう。
「きゅうー……」
そこに、小さなテーブルに突っ伏して力なく呻き声を上げているキュウが居た。
二人が暮らすこの部屋には、ビックリするほど物が無い。
それは、ユウヤが殆んど外に出払っているのが関係している。
その為、部屋にはテーブルや冷蔵庫、服を仕舞うタンスと言ったら最低限の物しか置いていない。
その為、キュウはユウヤを待つ間に暇を潰そうにも潰せずテーブルに突っ伏して呻くしかなかったのである。
「ほら、キュウ。そこいると飯置けないから退きな」
「きゅう!?」
ユウヤの声を聞いたキュウは跳ねるようにして顔を上げてキラキラと輝く目でユウヤを見上げる。
「きゅう……」
が、その手にある料理がただの野菜炒めと肉だと判ると途端に残念そうになり項垂れた。
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