プロローグ

5/6
前へ
/8ページ
次へ
「ちっ」 「きゅう!?」 音を聞いたユウヤは隣の布団で眠っていたキュウを脇に抱えて部屋の奥へと飛びす去る。 キュウが何事かと目を覚まして暴れるは、ユウヤはそれを力付くで押さえ付ける。 『目標発見。捕獲に入る』 壁の向こうから機械的な音声がユウヤの耳に届く。 正面を見据えたユウヤの目に写ったのは、全身を黒色のピッチリとしたスーツに身に纏い、頭部、胸、腰、腕、足の主要の部分を機械的な装甲で保護した人の姿を模した機械人形 。 「《機械人形ーヒューマロイドー》……しかも最新型か。厄介な」 《機械人形ーヒューマロイドー》 人の姿を模して作られ、人間では探索不可能な地域の探索や魔物との戦闘を想定して造られた現代科学の粋を結集した人形ロボット。 当然、純粋な戦闘能力でただの人間であるユウヤが勝てる要素は皆無と言っていい。 《武装選択。この状況で最も適する武装として《雷光剣》》 《機械人形ーヒューマロイドー》の技術はまだまだ未完成。1つ1つの行動をするのにもいちいち動作確認を必要とし動き出しは遅い。その辺りのAI技術はまだまだ未完成なのだ。 (くそ、油断してた) ユウヤも、ただの人間とは言っても未開の地での探索、時には魔物退治をも仕事とする《滅びし世界の探求者ーロスト・ハンターー》。自分より能力で勝る相手とは幾人とも戦い勝ってきた経験もある。 しかし、それは然るべき準備と必要な武装があって始めて成立する。 不幸な事に、最近のキュウとの暮らしで気が弛んでしまっていたユウヤは普段から身に付けていた武装をしていない。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加