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「で、どうしたの? えっ、渋滞に巻き込まれてる。何言ってんだよ。お前の引っ越しだろ。分かったよ。適当に片づけとくから、急いで来いよ」
「何? 賢治どうしたの?」
「いや、レンタカー返しに行ったら、渋滞に巻き込まれて、時間かかるって」
「マジかよ。だってあいつの引っ越しだろ。何で主役の賢治がいないのに俺達で片づけなくちゃいけないんだよ。一方通行を逆走する気持ちで来いってんだ」
「まあ、そう言うなって。賢治もなるべく急ぐって言ってるから、先に片づけとこうぜ」
「しょうがねえな。じゃあこの段ボールを開けて。って、何だこれ」
「ん、なになに? ああ、それはマヨネーズ立てだよ」
「マヨネーズ立て?」
「そう。こう、マヨネーズを下向きに立てると使いやすいだろ」
「そんなもんあるのかよ。じゃあ、このぐるぐるしたものは?」
「それはアンモナイトの化石だろ。見ればわかんじゃん」
「何でそんなの持ってんだよ」
「いちいち、うるさいなー。そんなんじゃいつまでたっても終わらないぞ」
「だって、俺の引っ越しじゃないし……。あー、腹減ってきた。なあ、今何時?」
「えっとジャスト12時30分」
「もうお昼じゃん。腹減ったよー。なあ、なんか食い物ないの?」
「バナナと胡瓜、飲み物は野菜ジュースなら、そこの段ボールに入ってたぞ」
「何で、生ものを引っ越しの荷物にするんだよ。それにバナナと胡瓜に野菜ジュースって全部野菜じゃん」
「バナナは果物だろ。野菜ジュースが嫌ならこれ飲むか?」
「なんだよこれ?」
「醤油」
「お前バカじゃないの。誰が醤油飲むかよ。ああ、マ○ドのポテトが食べたい!」
「無理言うなよ。こんな山の中にあるわけないだろ」
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