キメラ

2/2
前へ
/2ページ
次へ
産み落とされたその日から 異形の物と怖れられ 醜き身体を引きずりながら 今日、この日まで生きてきた 炎を吐いたその日から 災厄の物と恐れられ 悲しみを空に吠えながら 今日、この日をまた生きていく 己の炎で溶かされた 鉛に喉をつまらせて 勇者に首をはねられた 今日、この日まで生きていた 産み落とされたその日から 愛も知らずに生きていた ただ怪物と嫌われて 理由も分からず殺された 生きようとした、それだけで
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加