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「まあ良いけど」
天気は髪の毛をいじりながらご機嫌そうに歩く。
使命はその後ろをのんびりついていった。
―教室―
使命がドアから遠い窓際の席に座る。
隣は天気だ。
天気は少しクラスメイトの女子と話してから席に着いた。
今は5月。
6月くらいにはこの窓際の使命の席は暑くなるだろう。
「……」
使命はぼーっと緑色に染まった木を見る。
入学式に桜が咲いていたその木は、今はもう青葉だけになっている。
高校での時間の過ぎ行く速さは使命の予想よりもずっと速い。
「どうしたの? なにかある?」
使命が物思いに耽っていると天気が話しかけてきた。
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