プロローグ

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大きな声が人気のない場所で響く。 路地裏とあまり変わりはないこの場所は良いところだ。 夏は風通しが良く、冬は結構暖かい。 「聞いてるの~?」 頬を抓られる。 「痛い」 「人が話してる時に、何で妄想の中に入ってるの」 「入ってない」 ムニーと引っ張られる。 そろそろ本気で痛い。 「離せ」 慣れた優しい手つきで指を一本一本外していく。 「あんまり危ないことは絶対にしないこと。おばあちゃんが悲しむよ?」 「それはまずい!」 「おばあちゃんに食いついた!? 私だって悲しいよ?」
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