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冥王「……待て、一旦待て」
冥王が片手を挙げつつそう言うと訪問者は剣を振りかぶったままの状態でおとなしく止まった
?「?何スか?」
冥王「いや……妹って何のことだ?」
?「俺の妹っス!!」
冥王「そうじゃなくてだな……」
冥王は呆れたように頭を横に振った
?「俺の妹は数年前に誰かに殺されたんス!!んで、この前俺もとある事故で死んじゃってここにきたら、親切な人達が俺の妹を殺した犯人を教えてくれたんスよ!!」
冥王「…………」
濁りのない綺麗な赤い目でそう言い切る訪問者に冥王は心底呆れた目を向けた
冥王「……お前はそれを信じたのか?」
?「?当たり前っスよ」
冥王「そいつらとお前は生前に面識でもあったのか?」
?「ないっスけど?」
首を傾げる訪問者に冥王は深くため息をついた
冥王「……生前全く面識のないやつが、どうしてそんな重要なことを知っていると?それに例え知っていたとしてもお前とその妹が兄妹だとどうしてわかるんだ?」
?「…………あ」
訪問者は漸く気がついた顔をした
冥王「そもそも僕は僕一人じゃこの冥界から出られないしな……。大方、僕の血が欲しい臆病者どもがお前を利用したんだろう……」
?「…………」
訪問者はそれを聞き、数秒黙り込んだそして……突然床に平伏し、叫ぶように言った
?「すいませんっしたぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
その声の大きさはとんでもない大きさで、冥王は慌ててその大きな耳を塞ぐ羽目になったのであった
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