いつものアイツ

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「渚ちゃん今日も可愛いなぁ。中学の卒業式の時も可愛かったけど。あぁ、でも昨日の私服姿は最高に……」 背後数メートルから聞こえてくる言葉の内容に、渚は思わず振り返った。 昨日は朝から新作のゲームをしていて、外に出かけたのは夕方。 近くのコンビニでジュースと菓子を買った所まではいい。 だがその後に鼻歌混じりでスキップして、途中に居た可愛い野良猫に話しかけたりしていたのだ。 まさかそれを全て見られていたのか? そう思うと一気に顔に熱が集まった。 自分にも一応羞恥心というものがあるのだ。 渚は電信柱の影から此方を覗く男を睨みつけ、学校への道を走り出した。 しかし数分で息切れする現代っ子。 途中に通る商店街にある花屋の奈津子さんがそんな渚を見て苦笑した。
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