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仕方なく全力疾走してなんとか五分前に校門にたどり着くと、全身の力が抜けた。
渚はよたよたと覚束ない足取りで正面玄関に行き、優しそうなお姉さんからクラス表のプリントを受け取った。
【一年一組 宮野渚】
渚は自分の名前を見つけるとホッと息をつき、教室へ向かった。
一組のプレートを確認してから中に入る。
そこには既にほとんどの人が集まっているようで、空いている席もまばらだった。
「渚、こっち!」
突然名前を呼ばれて驚く渚だったが、その相手が中学の時からの友達である花咲瑠璃(はなさきるり)だと分かると笑顔がこぼれた。
席は彼女の前に一つ、そしてその隣に一つ空いていた。
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