嘘吐き

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沖田の部屋の近くで彼は一瞬立ち止まる (まぁいいか、) これも1つのお遊びだと 己を納得させながら 沖田の部屋の前に立つ 「‥入るぞ」 一言だけ声をかけ、スッと障子を開ける 沖田は珍しく昼寝もせずに 書類を片付けていた 「何の用ですかィ?」 「話があるんだが‥いいか?」 「? いいですぜ」 「お前、俺のことが大嫌いなんだよな」 じゃあ とわざとらしく間を空け 未だに何のことだか掴めていない沖田に 寂しげに告げた 「別れよう。」 「‥っえ、」 「話はそれだけだ、じゃあな。」 「ちょ、待っ、」 告げると同時に目を伏せ 沖田の言葉には耳を貸さずに さっさと部屋から出る (これで、いいんだ) _
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