17年前の秘密

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「・・・この店は、注意しないんだな」 智司さんは、不機嫌そうに呟く。 「まったく。こんな小さい子を店に連れて来る親も親だ」 さっきまでの優しそうな表情とは一変して、智司さんは鋭い目つきで隣の席を見ていた。 「これじゃあ、せっかくの記念日が台無しだ。玲子、帰るぞ」 そう言って、智司さんは椅子から立ち上がった。 「え・・・?帰るんですか?」 「帰る。早く行くぞ」 「でも、来たばかりですよ?」 「そんなの気にするな」 智司さんは、そそくさと歩いていってしまう。
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