17年前の秘密

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智司さんは私をオンブすると、すぐにエレベーターの中へ入った。 「血は・・・出てないな」 「はい・・・」 「ちゃんと気をつけろ。玲子は、一人の体じゃないんだから」 「はい・・・」 智司さんは、私の体を気遣かっってくれている。 それは、夫として、父親として、当たり前なのかもしれないけれど、 その気遣いが、私にとっては重かった。 レストランから出て、私と智司さんは、智司さんの車に乗り込んだ。 私は、助手席に座った。 「寒くないか?」 「うん・・・大丈夫」 「なら、良かった」 智司さんは、私に向かって優しく微笑んだ。
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