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智司さんは私をオンブすると、すぐにエレベーターの中へ入った。
「血は・・・出てないな」
「はい・・・」
「ちゃんと気をつけろ。玲子は、一人の体じゃないんだから」
「はい・・・」
智司さんは、私の体を気遣かっってくれている。
それは、夫として、父親として、当たり前なのかもしれないけれど、
その気遣いが、私にとっては重かった。
レストランから出て、私と智司さんは、智司さんの車に乗り込んだ。
私は、助手席に座った。
「寒くないか?」
「うん・・・大丈夫」
「なら、良かった」
智司さんは、私に向かって優しく微笑んだ。
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