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「・・・このラジオは、芸能ニュースまで伝えるんですね。局を変えましょうか」
そう言って、運転手がラジオ局を切り替えた。
運転手の、優しい配慮だった。
ラジオからは、アップテンポな洋楽が聞こえてくる。
それからは、誰も話さなかった。
風野さんは、腕時計をちらほらと見ながら、目的地に着くのを待っている。
私は、外の景色をただ呆然と見ていた。
何も考えたくなかったのだ。
だけど・・・。
景色を見ているうちに、自然と・・・涙がこぼれ落ちた。
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