第序章 回想

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  俺、大越健人(オオゴシ ケント)は夢をよく見る。 普通の人と比べ物にならないほど。 小さかったころは毎日のように夢を見ていた。しかし夢というものは、大抵ぼんやりとしか覚えていなかったり、いざ誰かに話そうとすると、よく覚えていなかったりする事がほとんどだと思う。 だけど俺の場合は違う。 夢によっては、内容をはっきり覚えていることがある人も中にはいると思うけど、俺はすべての夢をはっきりと覚えている。 怖いものや昔に起こった嫌なこと、といったような『悪い夢』は、なおさら鮮明に覚えている。 しかし、中学に入ってからだんだんと夢を見る回数が減ってきた。 今では、一ヶ月に3回ほどしか見なくなった。 しかし…。 まさか、一番見たくない夢を見るとはついてない。 「あーあ、目覚めわる……。朝から頭ぶつけるし……それに」 ここんとこ夢は見てなかったから油断してたな…。    
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