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人………ううん。
祥くん。初めての友達……
あ………そういえばチャイムって、
とっくに鳴ってる…!?
「授業!!!」
「サボろーよ」
祥くんが私のスカートの裾をキュッと握る。
「ダメです」
「俺と一緒にいるの嫌なの」
「…何でちょっと真剣な目なんですか?」
少し続く静寂。
祥くんはちょっと泣きそうになってる。いや、涙ぐんでる。
ど…うしよう……!
初めての友達なのに!泣かせるなんて……
こういう時、なんて声かければ…!
ザァッと吹いた風で、祥くんの涙が落ちる。
私も泣きたい……
また風が吹く。
それと同時に祥くんの口から言葉がもれた。
「音が―――」
「ごめんなさい…聞こえなかった。もう一度言ってくれますか?」
祥くんがもう一度言う。今度はハッキリと。
「音のことが好き……」
「………へ?」
その瞬間、祥くんはワァワァ泣き出してしまった。
「あ゛ずがひぃー!!」(恥ずかしいー!!)
なんて少年みたいなんだろうか。
でも、教室にろくにいなかった私をすきなんて――――
「ずっ―――じゅっお好っ―ぎ、だたの゛ー!!!」
「とりあえず、泣き止んで下さい!」
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