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「そう言えばさ、歌の聞こえ方に違いがあったみたいだよね」
「……何か仕掛けがあったのか?
結界の中まで届くような声量じゃなかった」
「綺麗な歌だったよな~。
あれが聞こえなかったとか可哀想だな」
難しく考えるのが面倒になったのかウルは頭の後ろで手を組み窓の外に視線をやった。
「シキは結局、自分のことは全く話してくれないからね。
今回もちゃんと理由があったんだろうけど」
レイは少し寂しそうに顔を俯かせる。
「シキはシキだろ?いいじゃん昔のことなんか」
どうでも良さげに言うウルを少し羨ましそうに見るレイに軽く息を吐いてリュウが言った。
「……ヒントは少しずつ出てる」
「えっ?」
「まず、エドの顔を見てソウワと言い錯乱した。
ギンは理由を知ってるみたいだった。
後は初めて一緒に行った海の依頼」
リュウは自分で調べたことを言う気はないのかそれだけ言うと口を閉ざす。
そして何も言わずにふらりと部屋を出て行った。
「あっ、リュウ!どこ行くんだよ!!」
それに気付いたウルは追いかけようとするが、レイが難しい顔をして考え込んでいるのを見て止めた。
でも、話し掛けても反応しそうにないレイにする事がなくなり、狼に戻るとその場で寝始めた。
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