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「な、なぁ?その犬、噛まないか?」
恐る恐る指をウルへと向けるエンドにウルが唸り声をあげた。
[オレは狼だっ!]
「大丈夫だよ?あ、これは狼なのに犬って言われて怒ってるだけだよ」
ウルの声を代弁するように説明すると、無理矢理部屋へと押し込んだ。
「狼なんてどこから連れて来たんですか?
昨日はいませんでしたよね?」
ユーリはレイの言うことを信用したのか恐れる様子もなく聞く。
「いたよ。昨日から」
レイはその他にも次々と聞かれる質問をはぐらかし、椅子に皆を座らせた。
レイの座った場所の足元にはウルが臥せる。
「ウ……この狼の話じゃなくてシキの話だよね?」
「……そう言えばそうだったわね。
早速だけどレイはシキに何も聞いてないのかしら?」
まだ恐いのかサラはウルとは目を合わせようとはせずに言った。
隣でルナは今にも触りたそうにしていたが。
どうやら一番は猫だが、動物なら何でも好きらしい。
「シキ本人からは何も聞いてないよ。
ただ、あの生物は龍っていうんだって」
「龍、ですか?
……少し待って下さい。
どこかで聞いた記憶があります」
頭を指でリズムよく叩き始めたユーリをレイは期待の眼差しでみた。
エンドの「リュウなら人間だぞ?何言ってんだ」と言う言葉は全員が無視をした。
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