第九章

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「……思い出しました! この国の建国神話です」 「建国神話? あれって確か、初代国王が人間の居ないこの土地に仲間を連れて別世界から降り立った……て話だよね?」 ルナが首を傾げながら言うと、ユーリは興奮冷めぬまま頷いた。 「ええ!あの話、調べてみると意外と奥が深いんです。 僕は半分以上実話なのではないかと考えています」 「おとぎ話じゃないの?」 「よく知らないけど、魔物が喋ってたわよね?」 「……そこは面白くする為に加えたのだと思いますが」 ユーリ、ルナ、サラの三人で話を進めていく。 そこへ我慢出来なくなったレイが割り込んだ。 「待って。まず、建国神話って?」 「あぁ、すみません。余り有名じゃありませんし知りませんよね。 簡単にでいいですか?」 苦笑したユーリが聞くと、レイだけでなくカイまで首を振った。 レイはシキの情報を少しでも集める為。 カイは“別世界”という単語に何か手掛かりがあるかと考えて。 ユーリも説明するのは嫌いじゃないのか、驚きはしたが嫌な顔せずに頷いた。 「建国神話はこの国が出来る約10年前……今から3000年以上前の話です。 始まりは別世界のとある村。 その村の長の家の前に置かれた少女から──」
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